話題のアキュビュー

接遇教育の講師は、元は航空会社のキャビンアテンダントといった肩書きの人が多く、おそらくはそうしたサービス業では「お客様」と様付けにするのだから、それに倣って「患者さん」ではなく「患者様」と呼ぶような指導をしたのでしょう。 もちろん、何事においても″型から入る診という手法はあります。
呼称の統一基準を作ることでまずは型を整備し、その上で精神的な部分を強化するアプローチもわからないではありません。 けれども現状において、それがうまく機能しているかと言えば、決してそうではないように思えます。
患者様診考近年多くの医療機関が揃って使うようになった「患者様」という呼び方。 つ人は多いのではないでしょうか。
その一人で、この呼び方が使われ始めてから一○年近くが過ぎた今も馴染めないでいます。 これは、以前は殿様商売で患者を見下すような態度をとる医者が多かったからです。
心を入れ替えて、サービスの質を高めるために取り入れた接遇教育の一環です。 「あの患者様、全然言うこときかないのよ」「うるさい患者様だからくれぐれも気をつけて」単純に呼称だけを変えて機械的に使っているため、こうしたバランスを欠く発言をする医療従事者が現実に出てきています。
そもそもこの患者様という呼び方、日本語として見ても奇妙なものです。 「患者」に「様」を付けていいなら、「先生」にも「様」を付けていいことになるのでしょうか。

しかし、ご存知のように「先生様」という呼び方は相手を馬鹿にしたときに使うもの。 学校の先生を「先生様」と呼べば、「ふざけるな!」と叱られるはずです。
患者は病気を治してほしくて医療機関に行きます。 そんな人を飛行機の搭乗客と同じに考えることに、何の意味があるのでしょう。
日″、あちこちの医療機関を取材で回り、医師や看護師とこの話をすると、多くの場合「僕も変だとは思うけれど、病院が決めたことだから……」という答えが返ってきます。 奇妙な呼び方を奇妙だと知りながら、「上の方針」という理由にもならない理由で「患者様」を使い続ける医療従事者……。
日本の医療の問題点は、物事の本質を理解しないまま異業種の上辺だけを真似しようとする上層部の姑息さと、その姑息さを知りながら反論できない一般職員に蔓延することなかれ主義。 に潜んでいるように思えてなりません。
彼らは患者が本当に医者や看護師から様付けで呼んでほしいと思っているのでしょうか。 「患者さん」という呼び方では失礼だと、本気で思っているのでしょうか……。
真剣に考えてそう思うのであれば、相手の気持ちをきちんと理解する能力に問題があるのではないでしょうか。 接遇向上への取り組みは大切なことですが、どうせやるならもう少し常識的なことに力を入れてほしいものです。
特定の目的を持った病院選び″難病″とは何か私たちは深刻な疾患のことを、″難病″という言葉で表現します。 多くは疾患のメカニズムや治療法が解明されていないものをさして使う言葉ですが、これをもっと厳密に規定すると″国が定めた難病″に行き着きます。
一九七二(昭和四七)年に当時の厚生省が打ち出した難病対策要綱によって取りまとめられた、特定疾患治療研究事業で指定された″特定疾患″がそれで、二○○七(平成一九)年七月現在、45の病気が特定疾患、つまり難病として国の指定を受けています。 これらの疾患はいずれも長期に及ぶ治療・療養を必要とし、患者やその家族には高額の医療費という形で経済的な負担がのしかかることになります。
特定疾患治療研究事業はその負担の軽減を目的としたもので、主治医の診断と厚生労働省の審査によって特定疾患であることが認められた場合、限度額はあるものの公的負担が受けられる仕組みになっています。 なお、国の指定する特定疾患とは別に、都道府県などが独自に難病を指定するケースもあるので、医療費が高額に及ぶ疾患にかかったときは、居住地の自治体ホームページなどをチェックして、救済措置の有無を確認することをお勧めします。
難病治療には″患者会″が強い味方高度に進歩した現代医学においてなお、病態の解明、治療法の確立に至っていない疾患があります。 その多くは症例数が少ない、言い換えれば患者が少ないこともあり、一部の専門医を除いて地域の基幹病院や大学病院に行っても、その疾患に詳しい医師に巡り合えないケースが少なくありません。
中には治療はおろか、その疾患を知っている医師に会えないことから正しい診断に行き着かないこともあります。 効果の見えない見当違いの治療を受け続け、そうした医師への不信感からドクターショッピングを繰り返す。

そんな気の毒な例も多く見られます。 難病にかかってしまったとき、あるいは難病が疑われるような状態にあってもなお確定診断が下りないとき、頼りになるのが″患者会″という組織です。
最近ではインターネットの普及により、きちんとした組織の形態をとらないネット上のコミュニティで情報交換をしている人たちもいますが、難病と言われる多くの疾患には患者会が存在し、そこでは患者同士の情報交換だけでなく、その疾患に詳しい医療関係者による講演会や勉強会を開催するなど、非常に役立つ情報を得ることができます。 たとえば、「近所にこの疾患の治療を得意とする医師がいない」といった悩みにも、患者会のネットワークで情報を得ることができ、「こんな症状が出て苦しんでいる」といった日常レベルの悩みに対しては、「私はこうして克服した」と、同じ悩みをもつ患者ならではのアドバイスを得られるなど、その利用価値は決して侮れるものではありません。
特に難病の場合は患者数の少なさから、一般の人に相談しても患者にしかわからない苦しみや悩みを理解してもらうことはなかなか難しく、それが新しいストレスを生み出して症状を悪化させることにもなりかねません。 同じ病気だからこそわかり合えることを最大限に活用してお互いの病気克服に役立てることは、実は効果的な医療に不可欠な要素なのです。
難病と闘う患者とその家族で組織する患者会は各地に存在し、活発な活動を展開しています。 全国規模の組織もあれば、地域単位の比較的小規模なものもあり、その多くが難病治療を考える上で、一つの疾患を例にとって検証していきたいと思います。
皆さんは″リンパ浮腫″という疾患をご存知でしょうか。 人間の体には、血管だけでなくリンパ管という管が張り巡らされていて、その中をリンパ液という体液が流れています。
どういうわけか、血管や血液の存在意義を知っている人はいても、リンパ管については「名前は知っているけれど、何のためにあるのかは知らない」という人が大勢いホームページを持ち、そこから情報発信を行っています。 ただでさえ情報の少ない難病だけに、患者にとっては非常に貴重な情報源として役立っているようです。
また、厚生労働省の補助事業として財団法人難病医学研究財団が運営する難病情報センターでは、難病やその治療法などに関する情報を提供しています。 ここのホームページにも各種難病の患者団体一覧が掲載されているので、参考にしてみてください。


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